共創学会第4回年次大会「むきあう」

日時:2020年12月5日(土),6日(日)
場所:オンライン開催(※)
主催:共創学会
※ コロナウィルス感染拡大の情勢の下、秋冬の状況は現時点では不透明であることを鑑み、今年の年次大会は、会議室システムを活用したオンライン開催にすることを決定しました。

What’s new

 

1. 大会テーマ:「むきあう」

人が自己とむきあい、他者・世界のモノゴトにむきあい、その営みを探究する研究者もその場にむきあい、観察・記述し、論じ、そして内部から事を動かす。本年次大会では、こういう観点から共創を論じてみたい。

共創という営みは、参画する人たち(人だけではなくモノゴトも)が互いに特別の関係になってこそ成立する。特別の関係になったからこそわかることがある。「特別の関係」の典型例の一つは、二人称的な関わりである。そこには、「わたし」にとっての「他でもないあなた」の存在がある。「他でもないあなた」は、これまでの科学的方法論が是としてきた三人称的な(外部観測的な)関わり方だけでは見出し得ない、多様なモノゴトを見出す。

二人称的な関わりは各々の一人称世界を否定するものではなく、むしろ、一人称世界があってこそ存立し得る関係である。私たちは一人一人、一人称視点で世界を見て、感じて、行動する。その認知の底には一人称視点から見た世界と自己の関わりがある。

つまり、人は、周りの世界やそこで生きる他者に「全人称」的に関わり生きている。「全人称」という言葉は、一人称視点で世界や他者を見ること、二人称的に世界や他者に関わること、三人称的に世界や他者を観察することのすべてを含む。このような多様な視点を合わせ持って世界と関わることを、本大会では「むきあう」と表現することにする。

人が互いにむきあって初めて、豊かな関係が芽生え、共創の場となる。共創の成り立ちや場を研究する研究者も、研究対象にしかとむきあうことが求められる。客観的に外部から観測するという従来の手法だけでは、人と人の、人と場の、豊かな関係性にむきあうことは難しい。

研究者が研究対象にしかとむきあうための得策の一つは、場の内部の存在になることである。実践研究はまさにそれを目論む。共創の場を自らつくりだすことに参画しながら、場の成り立ちや性質を観察・記述し、そのデータをもとに共創を論じ、さらに新たな共創の姿を描く。そうやって「共創の学」が育っていく。

実践研究で重要なのは、内部からの観察・記述であろう。対象にむきあって生じる身体感覚は暗黙知に過ぎない。それを暗黙知のまま受け流すのではなく、むきあったからこそ感得できることを記述し、説得力ある形で論じて初めて「学」になる。

 

2.プログラム構成の概略

プログラムは、招待講演、口頭セッション、ラウンドテーブル(RT)セッションから構成します。

(1)招待講演

2日目の午前中に、招待講演2件とパネル討論(discussant2名)を行う予定です。

  • 招待講演者:佐伯胖 氏(田園調布学園大学大学院 人間学研究科 教授)

  • <演題>:二人称的関わりの始まりと広がり(仮)
  • 佐伯先生のお写真 1970年米国ワシントン大学大学院心理学専攻博士課程を修了し、Ph. D. の学位を取得。1972年より東京理科大学理工学部助教授、東京大学教育学部助教授、同教授、大学院教育学研究科長・教育学部長を経て2000年に東京大学を停年退官、東京大学名誉教授となる。同年4月より青山学院大学文学部教育学科教授、同社会情報学部教授。2013年に青山学院大学を退職し、青山学院大学名誉教授となる。2012年より公益社団法人信濃教育会教育研究所所長。2015年より田園調布学園大学大学院人間学研究科子ども人間学専攻教授。CIEC(コンピュータ利用教育協議会)学会賞・功労賞、日本認知科学会フェロー、日本教育工学会名誉会員。
  • 主な著書:
    • 『「学び」の構造』東洋館 1975年
    • 『イメージ化による知識と学習』 東洋館 1978年
    • 『認知科学の方法』(コレクション認知科学1)東京大学出版会 2007年
    • 『「きめ方」の論理』東京大学出版会 1980年 / ちくま学芸文庫 2018年
    • 『幼児教育へのいざない』東京大学出版会 2001年
    • (共著)『子どもを「人間としてみる」ということ』ミネルヴァ書房 2013年
    • (共著)『「子どもがケアする世界」をケアする』ミネルヴァ書房 2017年

  • 招待講演者:西村ユミ 氏(東京都立大学健康福祉学部・大学院人間健康科学研究科教授)

  • <演題>:フィールドワークにおける間身体性:看護実践を探求する方法(仮)
  • 2000年に日本赤十字看護大学大学院看護学研究科博士後期課程を修了し、博士(看護学)の学位を取得。2015年に臨床実践の現象学会設立、主催及び第1回大会長。博士論文において、メルロ=ポンティの身体論を手がかりとした現象学的研究を行ったのを機に、前意識・前言語的な次元における〈身体〉固有の経験に関心をもち、植物状態患者と看護師との身体を介した交流、新人看護師の病いへの応答、経験を積んだ看護師たちの協働実践などを分析してきた。現在は、急性期病院とその周辺地域との協働・連携について、フィールドワークを通して探究している。ああああああああああああああああああああああ
  • 主な著書:
    • 『看護師たちの現象学――協働実践の現場から』 青土社 2014年
    • 『看護実践の語り――言葉にならない営みを言葉にする』 新曜社 2016年
    • 『語りかける身体――看護ケアの現象学』 ゆみる出版 2001年 / 講談社学術文庫 2018年
    • 『急性期病院のエスノグラフィー――協働実践としての看護』 新曜社 2020年 など。

  • discussant:須永剛司 氏(公立はこだて未来大学 システム情報科学部 特任教授)

    • GKインダストリアルデザイン研究所デザイナーをへて、筑波大学大学院芸術学研究科で認知科学に出会う。デザインと認知科学の学際領域として「人と道具の知的かかわり合い:わかる形のデザイン」研究を展開。1987年に学術博士の学位を取得。1989年より多摩美術大学と日本デザイン学会を拠点に、ソフトウエアデザインのための「わかること/学ぶことを形づくる」デザイン教育プログラムを開発。米スタンフォード大学HCIプログラム参加に力をもらい、1998年多摩美大に情報デザイン学科を設立。2013-18年は京都大学デザインスクールプログラムづくりに参画。2019年に東京芸術大学を退任。現在は、社会を形づくるデザインのあり方と、行うことと知ることを合わせもつ学術としてのデザイン学を探究中。
    • 「共創」に関連の深い代表的な著書:
    • 『デザインの知恵:情報デザインから社会のかたちづくりへ』フィルムアート社 2019年

  • discussant:桑原知子 氏(京都大学名誉教授・放送大学教授)

    • 1987年京都大学大学院教育学研究科博士後期課程を修了し、京都大学教育学博士(博士論文のテーマは『人格の二面性について』)。姫路独協大学講師・助教授、京都大学助教授を経て、1999年4月より京都大学教授。2020年に京都大学を定年退職、京都大学名誉教授となる。2020年4月より、放送大学教授。臨床心理士・公認心理士。専門分野は、臨床心理学・人格心理学で、個人療法を基本にしつつ、教育、司法、医療、産業など、さまざまな場でおこる「心」の問題にかかわっている。2019年、箱庭療法学会学会賞受賞。
    • 「共創」に関連の深い代表的な著書:
    • 『教室で生かすカウンセリング・アプローチ』日本評論社 2016年
      •  

(2)口頭セッション

各セッションに一つの会議URLを事前に割り当て、会議参加者に開示します。座長がそのURLのホストとなります。発表者がプレゼン資料を画面共有する形で研究を紹介した後、質疑応答の時間に移行します。質疑応答の場は座長が取り仕切ります。

口頭セッションはシングルセッションを目論んでいます(プログラム構成の制約上、約15件を想定)。口頭セッションの発表申し込みでは、研究内容と大会テーマ「むきあう」の関係が示されることを期待します。

(3)ラウンドテーブルセッション(RTセッション)

従来実施してきたポスターセッションは、研究の詳細情報を記載したポスターを置き、発表者と参加者がそれをみながらface-to-faceで熱く議論交流することに意義がありました。しかし、オンライン開催では必ずしもその良さが発揮できないと思われます。

もともと、ポスター発表は、成果が熟していないon-goingのものや、未だ着想レベルの研究ネタも持ち寄って議論する場として、また、定められた時間内にプレゼンと議論を収めるという口頭セッションに慣れていない若手研究者も気軽に発表できる場として、大いに機能してきました。

ポスター発表が果たしてきたその役割を別の形式で実現することを目論み、今年度は「ラウンドテーブル」(以後、RTと略す)という新しい形を模索的に実施します。

RTの開催概要:

            • RTセッションは、希望により上限2回まで発表することができます(「RT詳細希望申請の概要」を参照)。
            • 上限2回まで可能にする意図は、発表者には1回目のセッション参加の後に再チャレンジの意図が芽生えることが大いにあるかもしれないという点にあります。
            • RTにはタイプ1、タイプ2の2種類を設けます(詳細は後述)。1日目のRTはタイプ1のみ、2日目のRTは、タイプ1とタイプ2の両方を開催します。
            • つまり、RT発表の仕方には3種類の方法がある(図を参照してください)ことになります。
              • 1日目にタイプ1の発表を行う(参加回数1回)
              • 1日目、2日目ともにタイプ1の発表を行う(参加回数2回)
              • 1日目にタイプ1、2日目にタイプ2の発表を行う(参加回数2回)
            • RTセッションはパラレルセッションとします。現在、約5つの並列を想定しています。聴講者のRT参加は出入りを自由にします。

RTのタイプ

図 RT発表の仕方(3種類)

RTタイプ1:

            • 4名の発表者を1グループにして、まとまった時間(1時間の予定)の中で、グループごとに議論して頂きます。発表者は、各自、自身の問題意識や研究内容を共有するための、何かしらのプレゼン資料を用意しておいていただきます。
            • 発表者のプレゼンの順番や、一人が喋る時間は予め定めません。一人のプレゼンが完全に終わってから次の発表者のプレゼンに移行するというよりも、むしろ、途中で割り込みあい、次第に全員のプレゼンが進んでいくことを奨励します。
            • ひとつのグループにファシリテータ役の座長を1名配置します。座長のファシリテーションに従って議論が進むというよりも、発表者本人たちが、互いに自発的にファシリテーションをしあって、プレゼンや議論が進むことを期待します。
            • 自発的なファシリテーションが起こるためには、同じグループになる発表の問題意識が似通っていたり、互いの研究に対する興味関心が高い方がよいと考えています。そこで、タイプ1の発表希望者には、RT発表の全タイトル/要旨/発表番号をお知らせした後に、同じグループになりたい他の発表番号について、希望申請をしていただきます(「RT詳細希望申請」の仕方は後述)。プログラム委員会は、その希望をもとに、RTセッションのグループ決めを行います。
            • グループごとにひとつの会議URLを割り当てます。
            • 聴講者は当該会議URLに入り、発表者たちの互いのプレゼン・議論を聴きます。その進行を促したり問題をクリアにしたりすることを目論む質疑を途中で投げかけてもよいです。ファシリテータがその場を取り仕切ります。

RTタイプ2:

            • プログラム委員もしくは学会理事会のメンバーの有志がホストになり、おしゃべり部屋を開設します。希望する発表者は2回目のRT参加としてこれに集います。
            • タイプ2の開設意図は、1日目のRT(タイプ1)に参加した発表者には、プレゼンや議論の結果、自身だけでは解決できない疑問・違和感・もやもやが残るかもしれないという点にあります。
            • そこで、1日目にRT発表した内容の簡単なプレゼン+疑問/違和感を相談し、ホストや同じ部屋に集ったひとと議論することを通じて、疑問・違和感・もやもやの解決をしていただきたいと考えています。
            • タイプ2の部屋ひとつに、ひとつの会議URLを割り当てます。
            • 聴講者は当該会議URLに入り、発表者たちの互いのプレゼン・議論を聴きます。その進行を促したり問題をクリアにしたりすることを目論む質疑を途中で投げかけてもよいです。ホストがその場を取り仕切ります。

RT詳細希望申請の概要(詳細は10月中旬にアナウンスします):

            • 詳細希望申請の締め切りは11月5日です(重要日程を参照してください。最初の発表申し込みは10月10日ですので注意してください)。
            • RT発表は、お一人につき2回まで申し込みができます。つまり、発表者には1回参加もしくは2回参加の希望を提出して頂きます。2回参加を希望した場合,2回目はタイプ1、タイプ2を選択できます。
            • タイプ1の発表では、同じグループになりたい他の発表番号(複数個)の希望申請をしていただきます。その後,プログラム委員会にて、希望申請に基づきRTセッションのグループ分けを行います。
            • 2回希望者が2回ともタイプ1を選択した場合、1回目と2回目は異なる発表者とグループを組むことになります。
            • 2回目にタイプ2を希望した場合は、おしゃべり部屋ホストの希望を申請していただきます。開設予定のおしゃべり部屋のリストは、10月初旬にアナウンスします。

 

3.重要日程

事 項 日 程
発表申し込みの締め切り(タイトル/要旨提出、口頭もしくはRTを選択)

2020/10/10
2020/10/17
延長しました
締め切りました

発表者に、セッション割り当ての結果(口頭かRTか)をお知らせする

2020/10/17
2020/10/22

RT発表者に、RT発表のタイトル/要旨のリストをお知らせする

2020/10/25
2020/10/27

RT発表者に、RT(タイプ2)の開設リストをお知らせする
RT詳細希望申請の締め切り(RT参加回数、同じグループになりたい発表番号(複数個)、タイプ2に参加する場合はホスト名を、希望申請) 2020/11/5
予稿原稿提出の締め切り(4ページ以内) 2020/11/15
聴講参加登録の締め切り 2020/11/30

 

4.発表申し込みについて

口頭発表・RT発表ともに、発表ご希望の方は、以下(1)〜(5)を2020年10月10日 10月17日までに発表申し込みフォームから提出してください。発表者(著者)のうち1名以上は学会員であることが必要です。

(1)発表タイトル

(2)著者氏名・所属

(3)アブストラクト(800字以下)

口頭セッションの申請では、研究内容と大会テーマ「むきあう」の関係が示されることを期待します。

(4)キーワード

以下の〈例〉を参考にキーワードを5つご記述ください(〈例〉に無い場合には自由記述可)。「対象」「分野」「方法」の各カテゴリーから1つ以上を記述するのが望ましいですが、難しい場合はそれにとらわれる必要はありません。
【例】
「対象」:表現,コミュニケーション,ファシリテーション,コミュニティ,デザイン,計測,調査,分析,製作,マイノリティ/マジョリティなど
「分野」:社会,生活,科学,技術,アート,言語,心理,ケア,法,行政,教育,スポーツ,医療など
「方法」:量的研究,質的研究,理論研究,臨床研究,実践研究,開発研究など

(5)発表形式(口頭 もしくは RT)

5.聴講参加登録について

聴講参加(論文発表なし)をご希望の方は、以下のフォームから登録をお願いします。締め切りは2020年11月30日です。

聴講参加登録フォーム

6.予稿原稿の提出について

(1)締め切り:11月15日

以下のフォームからPDF形式で提出してください(フォームにアクセスするためにはGoogleアカウントが必要となります)。

予稿原稿提出フォーム

(2)発表番号について

提出時に必要な情報のひとつとして「発表番号」があります。
RT発表者については10/27、口頭発表については11月初旬までにお知らせいたします。

(3)テンプレート

予稿執筆にあたっては、学会のテンプレート
https://nihon-kyousou.jp/sfcc2020/sfcc2020_template.docx
を利用し、その執筆要領に従ってください。

(4)要旨

予稿の要旨としては,発表申し込み時にお書きいただいた800文字以内のアブストラクトをそのまま利用するのではなく,約300文字(学会テンプレートに記載あり)に短縮したものを改めてお書きいただきますようお願い致します.
なお、各予稿の要旨などを掲載した抄録集は、オンライン開催であることから今年は作成致しません。

(5)予稿集

予稿集のPDFは12/3に公開します(参加者全員にダウンロードリンク情報をお知らせします)。

7.参加費

オンライン開催のため、無料とします。

 

8. 実行委員会

          • 実行委員長:諏訪正樹(慶應義塾大学)
          • 副実行委員長:藤井晴行(東京工業大学)
          • プログラム委員:諏訪正樹,藤井晴行,西洋子(東洋英和女学院大学),笹井一人(茨城大学)
          • ネットサポート担当委員:諏訪正樹,石井裕之(早稲田大学),笹井一人
          • HP広報担当委員:三輪洋靖(産業技術総合研究所),堀内隆仁(慶應義塾大学)
          • 会計担当委員:植野貴志子(東京都市大学)

 

9. 問い合わせ先

共創学会第4回年次大会 事務局
sfcc2020_info[at]nihon-kyousou.jp
※[at]を半角の@に変えてください。