第14回共創学研究会
「生きるリアリティにむきあう学」
日時:2022年3月19日(土) 13:30~17:00
場所:オンライン配信 (zoomの接続情報は事前登録頂いたメールアドレスにお知らせします)
開催形式:招待講演および座談会・フロア議論
参加費:無料 (非会員の方も無料でご参加頂けます)
参加申し込み:本ページ下部の参加申し込みより「事前参加登録」をお願いします。
趣旨:
共創学会ジャーナル「共創学」の投稿規定には以下の一文がある。「共創においては、異質な人々が多様なままに、それぞれが主体的に生き生きと関わりあうことに大きな特色がある。その特色を解読するには、観察者が自身と観察対象を分離する従来科学の方法論では原理的に困難である。したがって、共創学の創造には知の枠組みを拡げるような挑戦的な取り組みが必要になると考える」。
また、編集委員会も「理論と実践の融合のために、より純粋な当事者研究論文の受け入れを目指した査読方針を取り入れられるように検討を進める」というスコープ拡張の方針を掲げている。
この本学会理念と思想を同じくする動向が認知科学や人工知能の分野でも起こりつつある。以下の4つの論文特集・学会企画は、客観性・普遍性を是とする従来科学の枠組みだけでは漏れ落ちてしまうような主観性・個人固有性・状況依存性を強く孕む現象を、如何にして学問・研究の俎上に乗せるかについて議論する場であった。
- 人工知能学会誌2013年9月号「一人称研究の勧め」特集(エディタ:諏訪正樹、堀浩一)
- 日本認知科学会2015年3月号「フィールドに出た認知科学」特集(エディタ:伝康晴、諏訪正樹、藤井晴行)
- 人工知能学会全国大会オーガナイズドセッション企画「臨床の知(厚い記述がもたらす知)」(2018〜20年)(企画者:諏訪正樹、藤井晴行、加藤文俊)
- 日本認知科学会2020年6月号・12月号「「生きる」リアリティと向き合う認知科学へ」特集(エディタ:諏訪正樹、青山征彦、伝康晴)
しかしながら、広く知の学問を見渡してみると、従来科学の方法論の説明力・説得力を背景にして客観性や普遍性を絶対視する学問観・研究観はいまだ根強く、知の学問の枠組みを拡げる動向は必ずしもまだ数多くはない。現状では、知の学問の枠組みを拡げるための方法論(研究テーマ選定、データ(記述)取得、分析・考察、知見提示を如何にするとよいか)は未だ定まったものがないと言ってよい。その方法を模索する議論は本学会理念に照らして急務であり、共創学研究会や年次大会における重要課題のひとつであろう。
そこで、共創学研究会のテーマとして「生きるリアリティにむきあう学」を掲げ、認知科学、社会学、人工知能分野でこの思想の下に活動する研究者を招待した講演・議論会を開催したい。知の学問が扱うべきものごとは、主観と身体固有性を有し日々変化が激しい世の状況に臨機応変に即応して生きる「生身のひとの生き様」であるという意味を込めたテーマ名である。講師として、上記の4つの特集・企画から、加藤文俊氏(慶應義塾大学)、伝康晴氏(千葉大学)、白水始氏(国立教育政策研究所)を招いてご講演をいただき、その後の座談会(司会:藤井晴行)にて、講演者、共創学会理事会メンバー、学会員で議論を行う。
講演者一覧:
- 加藤文俊(慶應義塾大学):社会学、フィールドワーク、コミュニケーション学
- 伝康晴(千葉大学):認知科学、相互行為、フィールドインタラクション分析
- 白水始(国立教育政策研究所):学習科学、認知科学、学びの場のデザイン
研究会プログラム
13:30~13:40 趣旨説明(諏訪正樹)
13:40~14:10 講演1:加藤文俊「気づき・発見は、少し遅れてやってくる(仮)」
14:10~14:40 講演2:伝康晴 「文化の伝承を支える他者との向き合い方(仮)」
休憩
14:50~15:20 講演3:白水始「「わかりあえないこと」はわかりあえるか(仮)」
休憩
15:30~17:00 座談会およびフロア議論(司会:藤井晴行)
参加申し込み
以下の参加申込フォームより 2022年3月16日(水)17時までに事前参加登録をお願い致します。
オンライン配信アドレスは、参加申込フォームで登録していただいたメールアドレスにお知らせします。
※参加申し込みを締め切りました.
問い合わせ先
企画担当:諏訪 正樹(慶應義塾大学),藤井 晴行(東京工業大学)
suwa[at]sfc.keio.ac.jp
※[at]を半角の@に変えてください。