2025/09/17
第23回共創学研究会 開催報告
第23回共創学研究会 特別講演「共創学会事始 ― doing・being・becoming ―」
日時:2025年8月30日(土)15時00分~16時40分
場所:筑波大学 東京キャンパス 121講義室・オンライン(ハイブリッド開催)
特別講演:三輪敬之(早稲田大学 名誉教授,共創学会第1期~第4期会長)
三輪敬之先生は,2016年に本学会設立の準備を始動させた時から,共創学を「理論と実践を切り離さずに展開される知」と位置づけ,その姿勢を貫いてこられた.学会をゼロから立ち上げ、第4期までの9年あまりにわたって牽引され,多領域の研究者・実践者との出会いや対話を重ねた今,この学会の在り様は,三輪先生の目にはどのように映っているのであろうか.講演の中味を伝えるべきレポートではあるが,それよりも,スクリーンを透過するような眼差しで,時折,独り言のようにつぶやかれる先生の言葉が,閃光を放った特別講演であった.「この年月,共創は,共創学は深まったでしょうかねえ」.それは疑問形ではなく,自らと共創を追う仲間への強い戒めである.「共に生るが大切だと思っていたんですよ,でも違いましたね,それぞれが生る(becoming)ですよ」.穏やかな語り口で,過去の自己をきっぱりと否定し,新たな発見を子どものように喜ぶ先生の姿こそが,変容と生成を続けるbecomingの体現である.この年月,共創がいかに捉えがたく深いかを,さまざまな実践現場に出向き,実感し続けた身体から発せられる言葉には,生命が宿り,地に足の着いたしなやかな強さはストレートに響いてくる.研究会は対面とオンラインのハイブリッドで開催され,60名あまりの人々が参加した.「共創学は,絶えず,新しく,生まれ続けるのですよ」.共創に引き寄せられ,正面から向き合う者を奮い立たせる,希望あるメッセージで研究会は締めくくられた.
〈西 洋子(東洋英和女学院大学 教授,共創学会会長):企画・司会〉
懇親会
研究会を終えて集った場所は,お洒落な大衆食堂.乾杯の発声とともに「三輪先生を囲む会」となる懇親会が始まりました.開かれた場である共創学会のように,和やかであたたかな雰囲気のなか,三輪先生の笑顔で集いが活気付き,お店いっぱいに広がる笑い声のたえないひとときとなりました.他分野・他職種の人と,立場や研究の垣根を越えてカジュアルに話せるこの機会は,研究発表の場とは一味違い,アイデアを出したり,小さな気づきの種を育んだりするまたとない共創の場であるのかもしれません!共創学研究会や年次大会の際に行う大切な懇親の場に,ぜひ皆さんもお越し下さい.どなたでもお待ちしております!!
〈浅井忍(草苑保育専 門学校)・小井塚ななえ(東洋英和女学院大学):懇親会幹事〉